エルガーのDVD
――海外盤はあるが、日本国内盤は皆無という現実エドワード・エルガーの映像資料(DVD)は、比較的種類が揃ってきた。しかしその多くは海外盤(英語音声・英語字幕のみ)であり、日本国内盤として公式に発売され、日本語解説や日本語字幕が付属するものは、残念ながら一つも存在しない。
この状況は、他の20世紀クラシック作曲家と比べても明らかに見劣りする。例えばマーラー、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチといった作曲家には、国内盤で日本語解説・字幕付きの映像作品が複数制作・発売されているのに対して、エルガー作品の映像資料はその点で極めて未整備と言わざるを得ない。
国内唯一(例外的)な存在:「Elgar and Alice」唯一例外的に存在するのが、「Elgar and Alice」というタイトルの映像作品だ。これは日本国内で制作された映像作品であり、エルガーとその妻アリスの人生に焦点を当てたドキュメンタリー的内容を持つ。
ただし、この作品は商業流通盤ではなくプライベート盤であり、一般のDVDショップやオンラインストアでは入手困難である。事実上、特定のコンサート会場や研究会、エルガー協会などの会員向けルートでのみ流通してきたため、多くのエルガー・ファンにとっては「幻の映像」となっている。
エルガー映像コンテンツの現在地は
海外盤は豊富だが、日本語環境は未整備
国内制作は存在するが商業流通していない
日本独自の映像文化がまだ形成されていない
という三重の事情が重なった結果である。
これは単に「コンテンツ不足」ではなく、
日本におけるエルガー理解の深さと底部の厚さをまだ十分に反映していないという証拠でもある。










