モルクのチェロ協奏曲
ペテレンコ(キリルじゃなくてワシリーの方)指揮、トゥルルス・モルク独奏、オスロフィルによるエルガーのチェロ協奏曲。
ようやくこういう演奏が自然に出てくるようになったか・・・の感がある。
デュ・プレやカザルスのような重厚さと深みを追求すでもなく、イッサーリスや最近のチェリストの持つ軽さに偏るのでもなく、ほどよくバランスが保たれ、さらに洗練された美しさ。
「新時代のエルガーのチェロ協奏曲」とまでは言い切る自信はないが、やっと均等な目と耳でこの曲を聴けるようになった・・・同時に均等な立場で演奏されるようになったというべきなのだろう。
「デュ・プレの亡霊」がやっと過去のものになりつつある・・・・。
そんな思いを感じさせてくれるモルクの演奏だ。
ペテレンコの伴奏も全く同じ方向にベクトルが向いており、深堀もそこそこにスマートさとバランス感覚に優れたものだと言える。
いずれせによ、久々にこの曲で愛聴できそうな演奏が登場したことには素直に喜びたい。
Elgar - Cello Concerto, Truls Mørk, Vasily Petrenko, Oslo Philharmonic