愛の音楽家エドワード・エルガー

タスミン・リトルのヴァイオリン協奏曲

エルガーの魅力は緩除楽章にあり・・・・。
エルガーのその誠実で温かなパーソナリティが伝わってくる作品。
それは愛のあいさつであり、朝の歌、ソスピリ、弦楽セレナーデなど。
共通するのはアンダンテやアダージョといった遅いテンポの曲想であることがよくわかる。
このヴァイオリン協奏曲には、エルガーのあふれるばかりの愛がこめられている。
タスミンの演奏は正にエルガーの愛を十分に感じ取り、やさしく丁寧に音にして紡ぎだしている。
指揮者デイヴィスともどもエルガーの愛をしっかりと音にして見せている。
例えば、第一楽章が終わった時点で聴衆の拍手が巻き起こる。
この拍手は、曲の終わりと勘違いして巻き起こった拍手ではない。
本当に凄い演奏で感動して巻き起こった拍手であることが伝わる。
この演奏は英国ロンドンの夏の音楽祭プロムスで行われたものである。
集まっている観客はエルガーの音楽に日々触れる機会の多い人たちばかりである。
そんな彼らが第一楽章の終わりを曲の終わりと勘違いすることなどまずありえない。
いわば、彼らはエルガーの音楽を聴く耳は確かなのであるから。
過去にも、メニューイン独奏、ボールト指揮による同曲のプロムス開催中でも同じように第一楽章終了後に感動の拍手が巻き起こったことがある。

 

 

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