遂につかんだ名声

仙台フィル高関のエニグマ

エルガー:変奏曲「エニグマ」 作品36
E.Elgar: Variation “Enigma,” Op.36

 

指揮:高関健
TAKASEKI Ken, Conductor
管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団
Sendai Philharmonic Orchestra

 

仙台フィルハーモニー管弦楽団 第377回定期演奏会
2024年11月22日(金)
日立システムズホール仙台・コンサートホールにて収録

 

普通に良い演奏だとは思う。昨今の地方オケでも目覚ましい技術レベルの向上は凄いと思う。
高関の指揮も作品に向き合う冷徹な分析とコントロールが素晴らしい。オーケストラを正に手中に収めた見事なドライブといえるだろう。
特に第9変奏で見せた手綱さばき。最大の山場を感動的に描くためにその前の抑制が出来ているのは、作品を深く読み込んだ結果であろう。
全体的にはスムーズに流れてはいるが、終曲での山場に向かう直前のアッチェラレントが少し急ぎ過ぎたキライがある。あそこはもう少しため込んでから解放する方がより効果を生み出せるのであるが・・・。
ま、とにかくこの人は余計なことをしゃべらずにこのように粛々と演奏する方が変なボロが出ないようだ。
この人の演奏でいつも感じられる隙間風を感じさせるようなスケルトン的な音の傾向は、少なくともここではそれほど感じないかな。
あと、ニムロドでのここぞ!というところでの客席の咳払いは減点である。何もここで咳をするか?
咳払いは仕方ないとしても曲を知っていればどこで咳をすれば大丈夫かの判断がつくものであるが、それを知らないからこういうことになる。
評判の良い動画であるが、名演というわけでもなく駄演というわけでもなく凡演というべきか・・・。

 

 

 

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