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《威風堂々》第6番

愛の音楽家エドワード・エルガー

《威風堂々》第6番

 

 

 2006年のプロムスにおいて、エルガーの未完に終わった行進曲集「威風堂々」第6番の補筆完成版の初演が行われた。補完者は、交響曲第3番の補完で知られるアンソニー・ペイン。ペインは、これでエルガーの作品を2つ補筆させたことによって、永久に名前が残るのだろう。(ペインには、その他に、エルガーの作品を編曲したものが2曲ある)

 

 

 補完の成果としては、まずまずの出来であろうか。冒頭から威風堂々第2番に聴かれる金管の音形や、「カラクタクス」「スターライト・エクスプレス」「フリンジズオブフリート」「5つのピアノ即興曲」の一節に似た節、さらには威風堂々第1番や交響曲第3番などでエルガーが多用していた弦楽器による上昇パッセージによく似た音形が登場する。さらには、全体的にその大部分がペインの創作とされる交響曲第3番第4楽章の後半部分に似ていなくもないし、打楽器群のアクセントの付け方など正に交響曲3番そのもの。そして主要テーマとなる部分では、「帝国のページェント」の終曲「連合の歌」を引用している。この曲自体録音がほとんどなく、あまり知られていないが、1924年作曲の帝国行進曲中にも引用されているメロディだ。
 「やれ、また安易な引用か。所詮ペインの力量なんてそんなもんだ」と悪口ならいくらでも言える。確かにこれらのエルガー作品の数々の影を感じさせる音形や、過去の作品の引用など一見安易に見える。しかし、作曲者エルガーなら逆にもっと自由な作風でのびのびと作曲できただろう。あるいは全く違った作風になったかもしれない。そのように他人がやったなら「これはエルガーではない!」と言われるのがオチだろう。そこに補完の難しさがある。だからこそ、束縛された状態での作曲を余儀なくされる。
 その意味では正にエルガー・テイストをここまで醸し出すことに成功したペインの手腕に拍手を送りたい。ある意味エルガー以上にエルガーらしいともいえるのだ。スコアはブージー・アンド・ホークス社から出版され、リチャード・ヒコックスの指揮により録音が行われる。日本でも尾高忠明指揮/札幌交響楽団の演奏により録音がリリースされ、大友直人指揮/東京交響楽団の演奏により日本初演が行われている。

 

 

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