再出発・・・合唱音楽の里

行進曲「威風堂々」第0番

エドワード・エルガーが作曲家として世界的な評価を始めて獲得したのは1899年に作曲された「エニグマ変奏曲」によってである。
しかし、エルガーがエニグマで世界的評価を獲得する以前に単発ながら成功を収めた作品がある。
一つは、彼の代名詞ともなっている1888年作曲の「愛のあいさつ」。
そして1897年作曲の「インペリアル・マーチ」だ。
「イギリス行進曲」あるいは「英国行進曲」、「帝国行進曲」などと邦訳されることもある。
これは1896年のヴィクトリア女王即位60周年記念の際に作曲されたものである。
エルガーはヴィクトリア女王へこの曲を献呈したいという希望を持っていたのであるが、これは却下されてしまう。
まだエルガーは無名の駆け出し作曲家としか評価されていなかったのである。
しかし、このインペリアルマーチは即位60周年の祝典には非常にマッチした華やかで勇壮な曲としてかなり持てはやされた。
後にエルガーがスコアに書き記したNobilementそのものの荘厳で立派な曲想は、「威風堂々第0番」とさえ呼びたくなるほど。
これが「マーチのエルガー」としての評価が固まるきっかけとなり、彼はこのイメージと生涯闘い続けることになる。

 

 

 

ボールト指揮、BBC交響楽団の演奏(1944年)

愛の音楽家エドワード・エルガー電子書籍はこちらからどうぞ

トップへ戻る